「ボーン・レガシー」

なんだか 当たり癖がついたのか これもペアの劇場鑑賞券が送られてきたんです。
いまだに読んでいる少年マガジン(汗)の懸賞に当たってね。
ってわけで いつものようにおば友(♀)を誘って観て来ました。

微妙にネタバレしてるかもです。
「ボーン」シリーズ愛のためか 少し熱く語っちゃってるかもしれませんが
あくまでも 俺個人の意見ですので 大目に見てね 
「レガシー」が面白かったぞ って人も。
 
おば友(♀)は「ボーン」シリーズ未見らしく 終わった後は面白かったと
言っていましたが 俺は全く面白くなかったです。
ま せっかく面白いって言ってるので そう露骨には言いませんでしたが
「でも 今までの「ボーン」シリーズの方が100倍は面白いよ〜」
位は言ってもいいよね?これでも かなり抑えてるけど・・・
本音は「軽く1億倍は面白いです」って感じだもん 言わんかったけど。

んじゃ 何がそんなに駄目なのか?

凄〜く 今までの「ボーン」シリーズを大切に思って作っている気はするんです。
時系列も「アルティメイタム」と並行する形で丁寧に無理なく作られているんです。
でも それが「レガシー」独自の魅力を損なっている気がするんですよね〜。
あまりにも 「ボーン」シリーズの型に収めようとし過ぎて 逆にハミ出る面白さや 
荒削りな感触や 前のめりなスピード感みたいなもんが全く感じられなかったもん。

「ボーン」シリーズを基礎として丁寧に作り込まれているのは悪いことばかりでは
ないんだろうけど そこに時間を割き過ぎて圧倒的にアクションシーンが
減っている気がするのも 大きな減点です。
序盤 訓練のシーンが重要なのも分かりますが あまりにも長過ぎるし
そこまで引っ張っておきながら 戦闘機からの○○○○が打ち込まれて終わりって。
シェアリング博士(レイチェル・ワイズ)を救出するとこも アクションとしては
新鮮味が感じられなかったし。なにより マニラでのアクション〜バイク・チェイス
最大の見せ場にも関わらず全く面白味が感じられないのは致命的です。
そもそも アーロン(ジェレミー・レナー)が作り出された「アウトカム計画」を超える
「ラークス計画」の工作員が暗殺者として投入されてるのに 
その凄さが全く伝わってこないって どうしようもなくね?
主なアクションシーンって これで全てって位なんだから 
質・量ともに今までの「ボーン」シリーズの水準には達してないって言われても
言い返せないんじゃないかなぁ。

ジェレミー・レナーもさ 頑張っていたとは思うんだけどさ 結局誰が演っても
マットくんのボーンの影からは逃れられなかったと思うんだよねぇ。
そういう意味では ちょっと気の毒な感じもしました。
レイチェル・ワイズも たいした見せ場があるわけじゃないけど
この博士の役をもっと軽くしちゃってもいいから エドワード・ノートン演じる
リック・バイヤーをフィーチャーしたらさ 面白くなったんじゃないかなぁ?
せっかく エドワード・ノートン使ってるんだしさぁ。
アーロンとリック・バイヤーの対峙を もっと前面に押し出して描いたら
結果的に ジェレミー・レナーも輝いたような気がするんだけどなぁ。

ま でも 今までの「ボーン」シリーズが何故ここまで支持されたかというと
それは マット・デイモン演じるジェイソン・ボーン
「自分は何者なのか」という答えを求めて行動していたことだと思うんだよねぇ。
結局 マット・デイモンが このシリーズを離れたのは 
「完結した」以上 ってことでしょ。
答えが出ちゃったからねぇ 三部作で 見事に 綺麗に すっぱりとさ。
そんなジェイソン・ボーンに対して アーロン・クロスが求めるのは薬。
もちろん アーロンが己でいるために必要な薬なんだろうけど 
モチベーションとしては あまりにも弱過ぎるんだよねぇ 観てる方としてはさ。
だから 余計に 「レガシー」の蛇足感が募っちゃうんだよねぇ。

どっかの海の船上で アーロン・クロスがシェアリング博士の甘い一言で 
さっさと地図を閉じてしまい ジ・エンドっちゅう脱力もののラストシーンで
椅子からずり落ちそうになった俺だけど 最大限好意的に解釈すれば
続編のために いいとこは残しておいたって そういうことかなぁ。

個人的には アーロンとリック・バイヤーのエピソードで続編を作るよりも
危機に陥ったパメラを助けるために再びジェイソン・ボーンが立ちあがる
って 続編の方に期待したいとこだけどね〜。
それこそ 蛇足になっちゃうかなぁ。(笑)