「オペラ座の怪人」


昨年の12月に観に行ったんですけどねぇ。
その時は年末っていうのと 勤め先の閉店間近ってのもあって 
連日猛烈に忙しくって 見事に玉砕しちゃったんですよねぇ。
観劇歴はそれなりに長い俺ですが ここまで寝ちゃったのは後にも先にもこの時だけ。
(眠気はある意味必須の歌舞伎でさえ こんなに寝たことはないのに。)
ってわけで 絶対に もう一回観なくちゃと思ってたわけです。
ま 「オペラ座の怪人」自体は もう何回も観てるんで今更無理して観る必要も
ないわけなんですが なんとなくね 意地(笑)みたいな・・・。

で 今回は しっかり睡眠を取って体調も万全で臨みました。
ま 普通の状態の時に観れば「オペラ座の怪人」は 
文句なしに面白い演目なので寝るわけはないんですけど。

いやぁ 久々に(しっかりと)観たら なんかめちゃくちゃ泣けました。
なんでだろ? やっぱ歳のせいってやつ?
今まで 「オペラ座の怪人」では泣いたことなかったはずなんだけど。
俺が感じる「オペラ座の怪人」の魅力って
一に音楽の素晴らしさ 二に舞台装置や仕掛けの凄さ
三 四がなくて(ないんかい?) 五にやっぱり音楽の素晴らしさ って感じで
ストーリーの何たるかってのが よく分かってなかったんですよねぇ。
つーか 物語としては すげぇ陳腐だと思っていてですね
それはまぁ今でも もそういう風に思っているわけなんですが。(汗)
何度も観ている割には 俺 音楽と美術の素晴らしさにばかり
目(と耳)がいっちゃっていて 物語の本質を見てなかったんです きっと。
今回 愛用のオペラグラスを忘れちゃって 無しで観たんですけど
それもよかったのかもしれません。っていうのも 純粋に俯瞰で観れたから
ファントムの目線ってのに気づけた感じもするので。
当り前のことなんですけど 「オペラ座の怪人」は
ファントム目線で観たら悲劇なんですよねぇ。
で そうやって観ると クリスティーヌが本当に うざい。(笑)
なんだかんだ言ったところで 結局 顔かよ! って感じだもんね 最後なんてさ。
どっちつかずのいい顔しいは ヒロインの共通項の一つだとは思うけどさ
おまえらがフラフラしなければ生まれなかった不幸もあるってことを 
ヒロイン諸君には もうちょっと自覚してもらいたいもんです。
ま あまり自重され過ぎても ドラマチックにならないので難しいとこですけど。

今 「オペラ座の怪人 劇団四季10周年記念ロングランキャスト版」CDを聴きながら
書いているのですが 楽曲の素晴らしさってのはCDで聴いても褪せないっすねぇ。
今回の舞台の「オペラ座の怪人」を観た(聴いた)時も 思ったんですが
どのキャストも歌唱の部分では 本当に素晴らしくて 
ほとんど文句のつけようがない出来だと思うんですよねぇ。
ただ 演技の部分がぎこちないというか 深みが足りないというか
若干物足りなさを感じてしまったのも事実です。
そのほとんどが楽曲で占められている この演目では演技が入る余地は少ない。
そう思われがちかもしれませんが それは違うと思うんですよねぇ。
このCDは今井清隆さんがファントム 井料瑠美さんがクリスティーヌなんですが
歌唱はもちろん 演技としての完成度も高いと思うんです。
ま 今回のファントム役の高井治さんも大熱演で大満足だったのですが
クリスティーヌを演じた苫田さんは その大熱演の高井さんを受け止めるには
明らかに演技の度量は足りなかったかなぁという気がしました。
ま この辺は 完全に好みの問題かもしれませんが。
クリスティーヌがうざい そう俺が感じてしまったことの何%かは演じた苫田さんにも
原因があるのかもと思ったり。苫田さん演じるクリスティーヌにもっと説得力があったら
うざいとまでは思わなかったかもしれないし そう思うと演技ってやっぱり大切。

この「オペラ座の怪人」には 続編があるって知ってます?
ミュージカル版「オペラ座の怪人」を基にした続編で「マンハッタンの怪人」。(笑)
フレデリック・フォーサイスが書いた書籍があって それをミュージカル化したのが
「Love Never Dies」っていうんだけど あまり評判がよくなくって 
既に閉幕しちゃってるらしいんだよねぇ。
本家の「オペラ座の怪人」は今だにロングラン中なのにね ロンドンでもN.Y.でも。
ただ 評判がどうあれ 一度は観てみたいなぁ。
四季は やらんのかねぇ?

で その四季で 俺が次に観るのは「ウェストサイド物語」。
観たことなかったので チケット買っちゃいました。
映画では何度も観てるんだけどねぇ。
これも名曲揃いなので かなり楽しみなんです。
ま でも 舞台の設定も (限りなく)現代だし 逆に演技力がないと嘘くさくなりそうで
そこがちょっとだけ不安ではありますが・・・。