「ウェストサイド物語」


2週間程前から体調が悪くって どうしようもない日々でした ほんと。
喉が痛いのから始まって 熱は出るわ 寒気はするわ 眠れないわで。
病院に行って薬もらって寝てたら 一旦は良くなりかけたんですけど
ハローワークとかに行ったりなんだりしてたら また調子が悪くなっちゃって
振り出しに戻るみたいな感じで 病院に行って薬飲んで・・・今に至るみたいな。
計3回も病院に行っちゃったし まだ少し喉痛いし 咳も出るし。
ま でも かなり楽にはなったけどね 身体は。

でぇ 少し前に取っていた劇団四季の「ウェストサイド物語」が今日だったので
咳が出ると嫌だなぁと思いつつ行って観て来ました。
ただ数日前に病院で咳止めの薬も処方してもらったので 
思いのほか咳は出なくて落ち着いて観ることが出来てよかったです。

映画では何度も観ている「ウェストサイド―」ですが 舞台では初めて。
で 前半はかなり覚えていたんですが 2幕目あたりからは記憶が曖昧で
ラストなんて こんな感じだったけ〜?って思っちゃった位。
映画とは ラストが違ったりするのかなぁ?
俺は てっきりマリアも死ぬんだと思ってたんだけど 死なないし。
ロミオとジュリエット」が下敷きになってるってので 俺が勘違いしてたんかなぁ?
どっちにしても救いのないラストですが マリアが死んだ方が悲劇としては
盛りあがったような気がしないでもないですが・・・。

「ウェストサイド―」の魅力といったら やっぱり音楽と振り付けの素晴らしさ。
これに疑いの余地はないと思います。
映画で観た時も素晴らしいと思いましたが 生で観ると(日本人が演じていても)
それが より際立って迫ってくる感じがします。序曲を聴くだけでも感動でしたもん。
全てが名曲といっていいミュージカルですが 1曲と言われたら「アメリカ」でしょう。
これを聴く これを観るだけでも 十分価値はあると思います。
アニタを演じる増本藍という女優さんが歌もダンスも演技も素晴らしく
存在感たっぷりだったというのも 「アメリカ」に大きく貢献していると思うのですが。
マリアを演じる笠松はるさんも 可憐なソプラノでなかなかよかったです。

というように女優陣はよかったんですが 対する男優陣には大きく不満が残りました。
まず トニーを演じる阿久津さん。「アイーダ」の時はよかったのに・・・
このトニーはミスキャストじゃないかなぁ?キラキラ感がないんですよねぇ。
なんか動きも鈍重だしさ ズラ(なのか?)も 山川豊チックだしさ。
とても マリアが一目で恋する感じには見えないんだよねぇ。
ラダメス将軍の時は あんなに格好よかったのになぁ。
ベルナルド(映画でチャッキリスが演じる役ね)を演じる加藤さんもなぁ。
四季でダンスと言えばこの人なわけだけど 往年の存在感はなかったような。
ただ 初演時の振り付けにこだわったという群舞でのダンスシーンは
さすがに鍛えられている感じがして 見応え十分ではありました。

オペラ座の怪人」を観た時の感想でも書いたんですが 
劇団四季の弱点は演技に思えてしょうがないんですよね〜 俺には。
歌は本当に素晴らしいし ダンスだって水準以上だと思うんです。
ただ 演技だけは (好き嫌いの問題かもしれませんが)改善の余地ありのような。
今回の「ウェストサイド―」は 歌ではない台詞の部分もかなり多かったんですが
明らかに台詞になると可笑しくて 笑えてきちゃうんですよね〜。
これは もしかしたら演出の部分にも関わってくるかもしれないんですが
あまりにも滑舌が良すぎて逆に不自然に感じちゃうんです。
だってさ スラム街の不良少年たちが 語尾まではっきり喋るって有り得ないじゃん。
そりゃ 舞台ゆえの発声・滑舌って言われればそれまでなんですが
今時のミュージカルって 高性能マイク装着なので 
そこまでの はっきりくっきりな一本調子でなくても十分っしょ。
歌から 台詞に変わると 途端に学芸会レベルになっちゃう方が ほんと違和感。
その不自然さに 誰か早く気が付いて 演出の浅利さんに言ってあげた方が
いいのではないかなぁと いらぬ心配までしてしまう俺なのでした。

「マリア」も「トゥナイト」もいいけど やっぱり「サムホエア」が抜群にいいね。
使われ方も凄く粋な感じがするし 「アメリカ」と対になる「どこか」という意味でも
「ウェストサイド―」の核になっている曲だと思います。

ミュージカルとしては古典の部類に入る作品ですが
今も色褪せていないところが 古典たる所以なのかもしれないですねぇ。
なんだかんだ言って また観たくなったもん。