読書の秋継続中

いまだに「読書の秋」絶賛満喫継続中であります。

この間は 柴田よしきに どハマリしてましたが そんなん書いてたら
どうしても読みたくなって 俺的柴田よしき一番本「ふたたびの虹」を
また読んでしまいました。ほんと 何度目だろう 読むの。

「ふたたびの虹」 柴田よしき
しかし何度読んでも 色褪せない面白さ。なんなんだろうなぁ これ。
柴田よしきの作風って 同性愛的要素もふんだんだし 暴力的要素も強めだったりして
割とエグめな小説も多いんですが(←それも好き) この小説はそういうのとは無縁で
ちょっと上品な感じがする位なんですよね。幸薄い感じもあるんだけど
その僅かな幸せが じんわりと温かく心に沁みてくるんです。
あぁ 早く続きが読みたいっ。(じゃ 買えって。)

ガリレオの苦悩」 東野圭吾
本が並んだ天袋を見上げて適当に抜き出したのがこれ。
福山雅治主演でお馴染みのシリーズ第四弾。
ドラマ・映画は未見なんですが シリーズは読んでいます。
今回は短篇集なので 初期のガリレオに戻った感じかなぁ。
容疑者xの献身」の印象が鮮やか過ぎて 軽い印象ですが短編は。
物理学的なトリックも分かりやすく書かれているし ちょっと頭がよくなった感じを
味わえちゃったりするのも このシリーズの面白さだと思います。

「その街の今は」 柴崎友香
ちょっと謎(推理)のない話を読みたくなって 手を伸ばしたのがこれ。
大阪が舞台で 会話は全て大阪弁
で 見事に劇的なことは起こらないんですが それでも読ませてしまうのは
作者の力量なんだろうなぁ。この本片手に 大阪の街を歩きたくなるもん。

「フルタイムライフ」 柴崎友香
で 続けて読んだのがこれ。これまた舞台は大阪 会話は大阪弁
今回は会社に入りたてのOLの話。これまた 特に劇的なことは起こらないんだけど
自分もその会社の一員になったって位にリアルに感じられるのが凄い。

きょうのできごと」 柴崎友香
3冊の中では ドラマチックな方かなぁ。舞台は関西(京都・大阪)。
書かれ方も 時系列が前後したりして 若干技巧的なんかなぁ。
3冊とも 「だから なんなん?」みたいに思ったら しょうももない話にしか
思えないんやけど そのしょうもない話を こんなに面白く書けるってのが凄い。
と 思います はい。

最後の息子」 吉田修一
ゲイが出てくる話ってので読んでみた。この人の作品で やっぱりゲイが出てくる
「春、バーニーズで」ってのを読んだことあるんだけど あんまり印象に残って
ないんだよねぇ。この本は 3編入っていて そのうちの2つがゲイ話なんですが。
うーん 俺好みではないかなぁ。「最後の息子」は なんだか斜に構えちゃった主人公が
どうも好きになれないし 「Water」は高校生水泳部員の青春が描かれているんですが
逆にゲイ的要素がなかった方がストレートに面白さが伝わった気がするけどなぁ。
ゲイは出てこないんだけど「破片」が一番面白かったし 汗水流して働く主人公や
酒場にたむろする男達とか こっちのがよっぽどゲイ受けすると思いました。
作者は 別にゲイに向けて書いてるわけじゃないから これでいいんだろうけど
本職のゲイからすると ちょっとピントがずれているように思えて乗りきれなかったっす。

「王国」 その1 その2 その3 よしもとばなな
久々の ばなな本。これもゲイが出るってんで 読んでみました。
これまたリアリティのない世界 っつうか もうファンタジーですね。
だから ゲイが出てきても 全然 味も匂いもしない感じです。
ま でも そういう無味無臭感って よしもとばななの本に共通な感じっぽい気もする。
久しく ばなな本は読んでなかったけど 俺「キッチン」は 今でも読み返す位大好きだし
だから そういう作風も嫌いじゃないんで なかなか面白く読めました。
ただ 1冊1冊は薄いけど それでも ちと長い感じはするかなぁ。
明らかに 繰り返しになっていてクドい部分が多いし そのせいで逆に伝わりにくい
部分があって もったいないなぁと思いました。
「キッチン」は簡潔だったけど だからこそ 真っ直ぐに伝わってきたもんなぁ。

「タイニーストーリーズ」 山田詠美
ばななさんを読んだら 詠美さんも読んでみたくなって。
最初の1編を読んだまま放ってあった これを読んでみました。
したらば これが濃ゆぃ 濃ゆぃ。ばななさんとか吉田さんを読んだ後だから 余計に。
tinyだけど cuteでも sweetでもなくって bitterな話が並んでいます。
毒気が強くて 読後にげんなりしちゃう話もあるけど そんな話でも読んでると
思わずニヤリとか クスリとかしちゃう部分があって 止められなくなっちゃうんだよねぇ。
毒も薬 っつうかさ クセになるね。
どの作家も唯一無二なんだけど 
詠美さんほど 俺にそれを感じさせてくれる作家はいないんだよなぁ。

「生きていてよかった」 相田みつを
詠美さんの短編の中にも みつをちゃんの名前が 一瞬出てきてさ 
読みかけだった本の続きを読んでみることにしました。
ま 読むっつうか 作品を見る って感覚の方が近い気もするんだけどね。
みつをさんが書いた作品に みつをさんが書いた文章が併せて載っているという体裁の
エッセイ集みたいな感じの本なんですが みつをさんの言葉を知るって意味では
とても面白い本だと思います。去年から今年にかけて みつをさんにハマりまして
有楽町にある 相田みつを美術館にも3度ほど行ったんですが いつ見ても
何度見ても 感じるものがありますねぇ。
単純だからこその強さ 弱さを知っている強さ そんなもんが いつも迫ってくるんです
みつをさんの書いた みつをさんの言葉を 見ていると。

ってわけで 相変わらずな雑食読書ですが まだまだ秋はこれから・・・。