「アスペクツ・オブ・ラブ 恋はすべてを変える」


うーん なんとも言えない不思議な作品でした ってのが正直なとこ。
今までのロイド・ウェバーの作品とは かなり毛色が違う気がするし
俺の想像とも全く違った色合いの作品を観せられたって感じ。
つーか なんでこれをミュージカルにしようと思ったんかねぇ そもそも。
「キャッツ」だって「オペラ座の怪人」だって「ジーザス・クライスト・スーパースター
だって そりゃ子供向けとは言えない作品だけれども 
この作品は大人しか観ちゃいけない そんな雰囲気の作品だもん。

まぁ ロイド・ウェバーの曲の素晴らしさは今更なんですけど 
この「アスペクツ・オブ・ラブ」でも際立っていましたよ そりゃ。
過去の作品に似たとこも もちろんあるけれども それはこの作曲家の味と
言うべきものであって 焼き直しとかでは全然ないわけで
その旋律の美しさには言葉を失うしかありません ほんと。

女優のローズに恋をした17歳のアレックス。二人はたちまち恋に落ちるが
そこでローズはアレックスの叔父のジョージと出会う。
ジョージにはジュリエッタという愛人がいるが
アレックスが戦地に赴いている間にローズとジョージは結ばれその後結婚する。
ジュリエッタに嫉妬するローズだったが会ってみると意気投合。
露骨には描かれないが同性愛的雰囲気を匂わせるような関係になる。
ローズとジョージの間に出来た娘ジェニーは15歳に成長。
戦地から帰ったアレックスと出会い恋に落ちる。
ジョージは激怒するが 心臓発作で死んでしまう。
そのジョージの葬式で出会ったジュリエッタとアレックスは
唐突に惹かれあい二人で姿を消す。
「この恋もいつか想い出になってしまうだろう」と歌いながら。
そして 恋の輪廻はいつまでも回り続けることを予感させながら。

こうやって書くと入り組んでますが 主要な登場人物は以上の5人。
ローズは娘(ジェニー)を除く3人と関係が 
ジュリエッタもジェニーを除く3人と関係が。
アレックスはジェニーとは (この劇中では)さすがにキスで留まりますが
それでも女性3人と関係を持ってしまうわけで・・・。
別にそれを悪いとはいいませんが 最後にジュリエッタとアレックスという
意外な組み合わせでエンディングを迎えた時は思わず笑ってしまった俺です。

原作はイギリスの作家デイヴィッド・ガーネットが64歳の時に書いた
多分に自身の経験(同性愛的な経験もあったらしい)や
思想(性的自由の信条)が基になっているみたいなことが
パンフレットに書いてあったんだけど そうやって考えると凄い作品だよね。

劇団四季は去年の暮れに観た「オペラ座の怪人」以来かなぁ。
その時は大好きな演目だったにも関わらず 忙しさからくる疲れなのか
ほっとんど寝ちゃったんだけど・・・。(汗)
今回は女優3人の力量が素晴らしかったです。
特に 娘役のジェニーを演じた谷口あかりさんの声が伸びやかで
少女から女に変わっていくとことか ゾクゾクしました。
男優陣はアレックスのルックスはまぁまぁだったけど
ジョージはちょっと渋いを通り越して くたびれた雰囲気だったのが残念。

「キャッツ」の横浜公演も11月に千秋楽を迎えることがアナウンスされたし。
イマイチ「キャッツ」には面白味を感じられない俺なのですが
ロイド・ウェバーの作品を観るチャンスなので一回行ってこようかなと思ったり。
オペラ座の怪人」も寝てしまったリベンジを果たしたいし。
って思うと 今年の初めに上演された「エビータ」も観ておけばよかったと
今になって後悔してみたりする俺です。
「エビータ」だけはいまだに未見のままなので 余計にね。

でもって「アスペクツ・オブ・ラブ」は CDとかで曲を聴きこんでから
もう一回観てみたいなぁと思います。曲の素晴らしさは疑うとこなしなので。
しかし 副題に付いている「恋はすべてを変える」ってのはいりますかね?
メインテーマの「Love Changes Everything」から きてるんだろうけど
なんだか蛇足な気がすんのは俺だけかな。