第三回午前十時の映画祭「華麗なる賭け」


三回目になる「午前十時の映画祭」。行きたいなぁとは思いつつ
今までは なかなか都合が合わなかったり 観たい作品がなかったり。
ってわけで 初めて「これはっ」って思う作品と 自分の都合も合ったので
観に行って来ました。そうそう 観に行った有楽町のみゆき座は
午前十時のみの上映ではなくって 終日上映ってのもポイント。
なんせ 朝が苦手な俺は 午前十時に映画館なんて ほとんど無理やもん。

で 何を観たかっちゅうと「華麗なる賭け」っちゅう映画。
これは 高校生くらいの時かなぁ テレビで放映されているのを観て以来大好きで
当時ビデオに録画したのを繰り返し観てたっちゅう程思い入れの強い映画でして。
今回ラインナップされてるのを知って これだけはどうしても観たい
つうか観なくてはいけないって思ったわけです。

俺 映画は昔っから大好きで それこそ中学生位の時から一人で映画館に
行ったりしてたんですけど それは父親や祖母が映画好きってのも
大きく影響していたと思います。で その頃ってのは 作家性の強い作品とか
中学生が観るには難しい作品なんかも生意気に観ていたような気がするなぁ。
もちろん その頃(より もっと前からだけど)には自分がゲイだってことも
当然分かっていたので好きな男優さんの映画とかが公開されたら 
必ず観に行くみたいなことはしていたんですけど それは「華麗なる賭け」の
主演のスティーブ・マックイーンではなかったんですよね〜。
当時 俺が一番好きだったのはポール・ニューマンだったんです。
ちょっと調べてみたら ポール・ニューマンは1925年生まれなので
俺が15歳の頃で既に57歳になってるんですねぇ。いや もちろん男優として
好きってのが前提にあったんですけど 格好いいとも思っていたので・・・
でも 今思うと 俺って相当 老け専やん。(汗)

なので「タワーリング・インフェルノ」とか観ても ポール・ニューマンばっかり
観ていたんですが よくよく観たら スティーブ・マックイーンの方が
はるかにいい役ですよね この映画。(笑)
その位なんで ほんとスティーブ・マックイーンには全く興味がなかったんですが
この「華麗なる賭け」だけは このマックイーンだけは大好きで何度も 何度も観たなぁ。

でも そういう映画って久々に観ると 逆に「こんなだったっけ?」みたいに
失望することってありません?なので今回も ちょっとどうかなぁって
思ったりもしたんですが いやいや 圧巻の面白さでした。
俺 テレビ放映の録画でしか観てないので 大きなスクリーンで観ると
やっぱり違いますねぇ。この映画の代名詞ともいえる冒頭のカット割。
もう格好よすぎて そこだけで涙が出そうになりましたもん。
マックイーンの格好よさも半端じゃないっすねぇ。
なんで当時は気が付けなかったんだろうなぁ 俺。
クールな眼差しに透き通るようなブルーアイ。
スマートに着こなしたスーツ姿と 海辺を歩くカジュアルな普段着の対比。
ほんと どこ見てたんでしょうね〜 当時の俺は。
そんでもって 相手役のフェイ・ダナウェイのキュートさ。これも今回の新発見でした。
フェイ・ダナウェイって「俺たちに明日はない」のイメージなのか
もうちょっと蓮っ葉な印象が強かったんですが この映画では超キュート。
ヤリ手で頭もキレる女保険調査員ってだけの役柄だと思っていたのが
凄く純粋で真っ直ぐな女性でもあったんですよね 今回観て気が付いたのは。
しかも 衣装とヘアスタイルが めちゃくちゃ可愛い。
当時のモードっつうんでしょうか ミニ丈のスーツに膨らましたヘア。
そんでもって ラストシーンの表情がまた いいんです。最高です。
後 音楽も素晴らしいんですよねぇ この映画。
ミシェル・ルグランって 本当に凄い作曲家なんだなぁって思います。

トーマス・クラウン・アフェアー」(←これが「華麗なる賭け」の原題)っていう
リメイクも出来ていて これも観たことがあるんですが やっぱり全然違いますよねぇ。
これ単体で観れば そこそこ面白く出来ていると思うんですけど
比べちゃうとやっぱり全然違う。設定とか現代風になったりしているのは
まぁしょうがないし それはそれでアリなんですが
「小粋さ」みたいなもんが全くなくなっちゃってるのが致命的っすよねぇ。
ま スティーブ・マックイーンフェイ・ダナウェイに対して
ピアース・ブロスナンレネ・ルッソじゃ 勝負にもならないですよね
気の毒だけど。

午前十時の映画祭 
この後の予定作で観たいのは「ロンゲスト・ヤード」あたりかなぁ。
日本では全く人気のなかったバート・レイノルズですが
あの男臭い風貌は 昔っから大好きだったので 俺。
って 結局 映画を観に行ってんだか 男を観に行ってんだかね。(笑)
あ でも 次回上映の「ブラック・サンデー」も気になるんだよなぁ。
これは ほんと純粋に映画としてね。

第三回午前十時の映画祭 http://asa10.eiga.com/