「そらいろフラッター」(漫画)

劇的生活⇔日常生活
ってことで 日々の生活の中で ちょっと気になったこと 感じたことなんかを
とりとめーもなく語っていく(←得意技)カテゴリを新設。

で その第一回目は 数日前に読んで めっちゃハマった漫画の話。
つっても 紙媒体の漫画ではなくって ネットで読んだんだけどね。
某ゲイ系SNS繋がりの友人が ネットでエロ漫画を読んでるっつう話をしていてさ。
ふーん とか思いながら ちょっとネットで検索とかしたわけよ。
ま どっちかっていうと 「漫画」って方より「エロ」って方に
より敏感に反応した感じなんだけどね 実のとこ。(汗)

そこで まぁ色々と読んだり 見たりしたんですけど 「エロ」ってのも 深いね。
俺は ノンケの世界のエロいことは全く分からないし興味もないから
ゲイの話ってのが前提になっちゃうけど ゲイの好みって細分化されてるからさ
「そんな細くて薄いとこ狙ってきます?」みたいなのもあったりしてね。 
人の数だけ ファンタジーってあるんだなぁって 思いました あらためて。

で ハマった漫画は そうやってネットでぶらぶらしてる時に偶然見つけたもの。
つっても この漫画はエロ的要素は皆無の ほのぼの系青春漫画。
しかし これが もう俺的には ここ数年読んだ漫画の中では断トツ一番大賞。
何度読み返しても 笑えて泣けて キュンってなってジンときて
眩しさに目を細めるしかなくて 自然と笑顔になってしまう  そんな感じ。

俺なんかが どんなに駄文を書き連ねても その良さが正確に伝わるとは
思えないので まずは読んでみて下さい。
作者のおくら様が運営されているYellowParkaというサイトで
なんと無料で読めちゃいます。作品名は「そらいろフラッター」です。


http://yellowparka.is-mine.net/ ←ここで読めるよっ つーか 読めっ。

ってわけで こっからは読んでくれたこと前提で書いていきます。
つっても 分析なんて大層な技が使える俺ではないし
客観的に見るとかってことも苦手なので いつも通りの主観入りまくり
つーか ほぼ主観のみ しかも好き嫌いのみで語っちゃいますけど。

まずは なんといっても魅力的なキャラクターたち でしょうかねぇ。
彼(彼女)らが語るからこそ テーマも生きてくるってことだと思うので。
その中でも主人公の能代くんの素直さ 真っ直ぐさというのが
「そらフラ」の輝きの主成分になっているのは間違いない気がします。
ゲイである自分ということの受け入れ方や経験的なこととかも含めて
俺の高校生当時の立ち位置的には 真田の方が近いのですが
それでも本当に自然に能代くんに感情移入して読めてしまうんですよね。
それからゲイ的な目線でいうと ヒデさんの存在感も際立っています。
ちょっと都合のいい登場の仕方が多い気はしますが 
それも気にならなくなる位 ヒデさんの懐の深さ 愛情の深さに
読んでいるこちらまで包まれているような感じになりますもん。
俺も結構ないい歳ですけど それでも ヒデさんみたいな人がいたらなぁ。
つーか ヒデさんみたいな彼氏が欲しいなぁって思っちゃうもんね。
キャラ的に俺がヒデさんみたいになるのは無理だと思うので。(汗)
ただ キャラクターで俺が一番好きなのは 真子斗くんなんですけどね。
真子斗くんの何が好きかっていうと 「ゲイ」としての素直さでしょうか。
能代くんも真子斗くんも 人間として素直で真っ直ぐだと思うので
基本的に差はないのかなぁと思うのですが。
能代くんに感情移入してても 共感出来るのは真子斗くん
みたいな そんな感じ。って ちょっと上手く表現出来ないんですけど。
俺って 立ち位置的には真田なんだけど 彼氏にしたいのはヒデさんで
自分にはない真子斗くんの素直さが欲しいんです きっと。
って いい歳したおっさんが 真子斗くんみたいなのも 
どうかと思うんっすけどね いや マジで・・・。

あと これは もしかしたら賛否あるとこかなぁと思うんですが
悪人が出てこないってとこもいいかなぁと思ってます 俺は。
つっても 物語(映画とか本とか)に出てくる悪役を否定してるわけではなくね。
魅力的な悪役は多いし 悪役が魅力的だから物語が生きるってのもあるし。
「そらフラ」に出てくるキャラでいうと 狛江先輩や寺山先生は 
ちょっとだけ悪の匂いをさせるところがあるけど 悪人ではない。
っていうか 狛江先輩や寺山先生が持っている悪いとこって
この二人に限らず誰の心にもあるとこだと思うしね もちろん俺にも。
悪いことはしちゃうけど悪人って感じでもない 良い奴だけど善人ってほどでもない。
どっちも合ってるのかなぁと思います。
完璧な悪人なんてのも 完璧な善人なんてのもいないもんね。
実際 俺の周りでも悪人っていないと思うんですよ。
たまたま出会ってないだけかもしれないし 出会ってても気づいてないのかもしれない。
でも ちょっとくらい悪くっても 大好きな人もいるし
逆に どんなにいい人でも なんか苦手な人もいる。
悪人なんて 見方ひとつってことだよね そうやって考えるとさ。
だから 悪人が出てこないってのが弱点になってるとは思えないんだよなぁ。

キャラの立ち具合は分かった んじゃ テーマはなんなんだ? 「そらフラ」の。
ん〜 テーマは読んだ人それぞれが感じることかなぁ。
って いきなり丸投げかよっ! って声が聞こえてきそうですが。
でも 「そらフラ」を読んで感じたことのひとつに 「正解なんてない」 ってのがあります。
生きていく中で その都度選択を迫られて 答え(らしきもの)を出して
なんとか進んでいきますが それが正解かどうかなんて分からないってことです。
場合によっては 間違っていることでもしなければいけないこともあるかも。
逆に正解だと思っていても 間違っていたりとかね。
正しい選択をしたいとは思いますが 仮にそれが正解ではないのだとしたら
その時に修正していくしかないわけで 「そらフラ」の登場人物も そうやって
曲がりくねったり 壁を乗り越えたりしながら歩いています。
いや ま おっさんの俺なんて 横着して正解を求めがちなんですがね。
「正解なんてない」って書きましたが 裏を返せば「答えは無数」ってことですよね。
ちょっと理屈が合ってんのか よく分からなくなってきましたが
だから テーマなんてもんも読んだ人が導き出すもの そんな感じがします。

なんだか小難しくなってきちゃったので 具体的に好きなシーンとか台詞など。

まずは第7話でしょうかねぇ もぉ この話 丸々大好きです。
ヒデさんが能代くんに言う 「ゲイだと普通の友達になれないの?」 
俺はゲイの側なんで あれなんですけど ノンケでどんなに仲がいい奴でも
そこには薄い膜がある感じなんですよね〜。破るのは簡単なのかもしれないけど
そこから何が出てくるか分からないしね。ま 単に面倒臭いってのもあるけど。
なので ヒデさんのこの言葉には どきっとしました。

第12話の これもヒデさんから能代くんへの言葉
「出せてない答えの選択を委ねられても答えはあげられない」
テーマのとこでも書いたけど 結局答えは自分で出すしかないわけです。

第13話の真子斗くんが真田先輩に言う
「自分の気持ち言わないで 能代先輩の気持ちもわかんないまま
 何事もなく過ごしていけばいいんすよ それが望みでしょ」
真田先輩と同じ人(能代先輩)を想っている真子斗くんだからこそ痛いっす。
俺も痛くて泣いたっす。

第15話の能代が真田に言う言葉
「−よくわかんないけど 好きになった人が誰よりも一番になるんじゃないの?」
よく使われる言い回しですが 能代くんが言うと素直に肯けちゃうんだよなぁ。

真子斗くんファンとしては第16話が もしかしたら一番好きかも。
能代先輩から 真田が好きだってことを聞かされた真子斗くんが身を引こうとする。
そこからの 能代先輩が めちゃくちゃ格好いいんです〜 ほんとうに。
「−俺にだけは できない・・・・・・? だったら 俺にしかできないこともある」からの
「受けとめる」そんでもって とどめに
「嫌いになるのは 嫌いになってからでいい」
って もぉ 泣きましたよ 俺 真子斗くんと一緒になってさ。
つーか 誰目線だよ 俺っ。

第20話のヒデがヒカルに言う言葉
「他人のせいにするしかないほど 自分は精一杯やったの?」
俺なんて 逃げてばっかだよっ。(爆) 
・・・反省っす。

それから 真子斗くんが能代先輩に詰め寄るところ
「先輩はその人が好きなんすか!? 先輩が俺に好きなんだって言ったのは
 その人っすか!? 俺が聞いた人とは違うっすよ!!」
もぉ 真子斗くんの あまりにもな「いい奴」っぷりに号泣っすよ 俺も。

そして 言わずもがなの最終話 能代くんがヒデさんに言う言葉
「−好きな人がいて その人も自分のことが好きで
 その気持ちが おんなじところにある・・ってことだと・・・思いま・・す・・」
これが読みたくて 何度も何度も読み返してしまうんですよね〜 結局。

そうそう最終話では 真子斗くんが坊主になっていて 更に萌えました。(重要)

思い入れたーっぷりと しかも 極限にとりとめーもなく書いてきましたが
こうやって 俺にキーボードのキーを叩かせるだけの力があるんです。
「そらいろフラッター」には。
それだけは 間違いありません。(断言)